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「お客様にリピートしていただけない理由を知りたいけど、分からない」
リピート率がなかなか安定しない場合、このような悩みを抱えることもありますよね。
大切なのはお客様の立場になって「なぜリピートしないのか」を考えることです。本記事ではデータをもとに「美容室をリピートしない理由」を紹介し、リピート率の改善施策と当社の事例を紹介します。
お客様が感じる「美容室をリピートしない理由・原因」は主に以下の5つが挙げられます。
最も大きい理由は「満足のいく仕上がりにならなかった」という点です。多くのお客様は、美容室に「理想のヘアスタイルを実現してくれること」を期待しています。
実際に株式会社ROIの調査によれば、ほぼすべての年代において「リピートしたくない理由」は「仕上がりが好みではない」と「技術が悪い」が約50%を占めています。
画像出典:PR TIMES|株式会社ROI 美容室利用についての意識調査
一例として、次の理由が挙げられるでしょう。
基本的にお客様は「思っていた髪型と違う」と感じても、その場で美容師に伝えることはあまりありません。だからこそ、カウンセリングの段階でお客様のニーズを汲み取ることが大切です。
いくら技術が良くても、接客が「いまいちだ」と思われてしまうとリピートにつながりません。株式会社ROIの調査においても、リピートしない理由の第2位が「接客が悪い」です。
特に、10代、20代は「仕上がり」より「接客の質」を求める傾向にあります。20代の場合、リピートしない理由の1位が「技術が悪い」(30%)、2位が「接客が悪い」(28%)、3位が「仕上がりが好みではない」(25%)です。
10代や20代はSNSの使用率が高いため、場合によっては接客の悪さを拡散されてしまう恐れもあります。10代や20代をメインターゲットとする場合、接客の方法を改善しましょう。
店舗の居心地もリピートしない理由の一つです。
お客様は美容室に施術だけでなく、居心地の良さや雰囲気も求めます。多くの場合、美容室には2〜3時間も滞在することになるため、雰囲気が良くなければ「もう来たくない」と感じる方も少なくありません。
一例として、レジカウンターにいるスタッフと鏡越しに目が合ってしまう、手が空いているスタッフの雑談の声が大きい、整理整頓されていないなどが挙げられます。
リピートする理由がなければ、お客様は他の美容室に移ってしまいかねません。他の美容室で「新規のお客様限定割引」などお得なキャンペーンが実施されていると、そちらに興味を惹かれるからです。
ポイントカードなど「再来店したくなるしくみ」をつくることが大切です。
初回の割引キャンペーンなどを利用して来店した場合、料金が通常価格に戻るとリピートしなくなってしまう恐れがあります。
ここで重要なのが「集客による流入経路」です。流入経路によってお客様が「何を重視しているか」は大きく異なります。
例えば集客サイトから流入したお客様は、サイト上で沢山のサロンと比較できる為、お客様は「料金の安さ」を求めている可能性が高いでしょう。一方で、チラシから流入したお客様は、「近さ」を求めて来店したと推測できます。このように流入経路を確認して、お客様の層に合った集客対策をしましょう。
美容室の経営はリピート率が非常に重要です。リピート率が高いと売上が安定するからです。
ただ、「リピート率はどのくらいを目指せば良いのだろう」と疑問に思う方もいますよね。そこで、ここではリピート率の業界平均値を紹介します。計算方法やリピート率とともに重視すべき「次回予約率」についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
美容室のリピート率とは「過去3ヵ月以内にお客様が再来店してくださったかどうか」を表す数値です。
まずは業界の平均と計算方法を紹介します。
リピート率の平均は以下のとおりです。
※90日で計算した場合
あくまでこの数値は一例に過ぎません。美容室によっては、新規顧客のリピート率が10〜20%程度しかないところもあります。
一例に過ぎないとはいえ、一つの基準として参考にすることはできます。自店舗のリピート率を改善したい場合、まずはこの数値より「高いか低いか」を確認しましょう。
リピート率の計算方法はPOSシステムによって異なりますが、多くの場合2パターンあります。
月単位の場合、「毎月どのくらいのリピート率なのか」がわかるため、管理しやすいというメリットがあるでしょう。一方、6月30日に来店した場合でも、6月分の計算となってしまう点に注意してください。6月1日に来店した人と比べると、約1ヵ月の差が生じてしまいます。
日単位の場合、「90日」「60日」など日単位で計算できます。ズレが生じることなく、ある程度正確にリピート率を算出することができるでしょう。
リピート率とともに重要視すべきなのが次回予約率です。次回予約率とリピート率はすこしニュアンスが異なります。
リピート率は過去に焦点を置いた数値です。対して、次回予約率は未来を見据えた数値といえるでしょう。
次回予約率がわかれば「来月は◯名のお客様が来店される」と来客数を予測できるため、高い精度で目標や売上の計画を立てられます。ぜひリピート率とともに次回予約率を分析してください。
リピート率が平均より低い場合、改善をおすすめします。ただ、「どう改善すればリピート率が高くなるのかわからない」と感じる方も多いかと思います。
美容室のリピート率を上げる主な流れは以下のとおりです。
まずは自店のリピート率を分析しましょう。リピート率を分析するためには「新規顧客」「既存顧客」に分けることが大切です。
新規顧客のリピート率は「集客にかけた時間やコストを回収できたか」という点を考えるうえで重要です。
例えば、100万円の広告を出して50万円分の新規顧客を集客できた場合に、リピート率が20%なら売上は(50万円+10万円=)60万円にしかなりません。この場合、「集客方法が割りに合っていない」とわかります。
このように、新規顧客のリピート率から集客方法の見直しにつなげることができるでしょう。把握しておくべき美容室の集客方法はこちらで詳しく解説しています。
関連記事:
美容室の集客方法とは?新規からリピーター増加のアイデアを解説
既存顧客に対しては、リピート率でなくリピート回数を分析してください。失客したお客様を見つけることができます。
リピート回数が多いにもかかわらず「ここ3ヵ月で来店していない」というお客様がいた場合、失客の可能性が疑われます。早めにDM(ダイレクトメール)を送るなど、呼び戻すために施策を講じましょう。
リピート率を分析したら、リピートにつながっていない部分を改善してください。見直すべきポイントは以下の5つです。
まずはカウンセリングを見直しましょう。冒頭でもお伝えしたとおり、「リピートしない理由」の第1位が「満足のいく仕上がりにならなかった」です。
お客様のニーズをしっかりと把握するためには、カウンセリングが大切です。
「このお客様ならこれが似合うだろう」
「前回この髪型だったから、今回もこんな感じでいいだろう」
このようにカウンセリングを怠って勝手に判断してしまうと、リピート率の低下を招きかねません。
カウンセリングにおいて重要なのがカルテです。リピート率を爆発的に高めるカルテの書き方はこちらで解説しています。
関連記事:
美容室カルテの役割とは?顧客満足やリピートに繋がるカルテ内容を解説
株式会社ROIの調査によれば「美容室をリピートする理由」の1位が「技術が良い」です。ゆえに、お客様の要望に応えられるような技術が高い人材を集める、もしくは技術の向上に努めることが大切です。
画像出典:PR TIMES|株式会社ROI 美容室利用についての意識調査
また、トレンドを抑えたり新しい商品や商材を取り入れたりすることも重要です。
上述したとおり、10代や20代は接客が良くないとリピートしなくなってしまいます。
接客を向上させるポイントとしては、「観察力」「共感力」「質問力」「提案力」が挙げられます。まずは、この4点を意識することから始めましょう。接客技術を向上させるために、外部講師を招いたり、研修に参加したりする方法もおすすめです。また、スタッフの接客を均一化するために、マニュアルを作成することも有効です。
新規顧客のリピート率が低い場合、内装や店舗の雰囲気を改善することも視野に入れてみてください。店舗を訪れた際に「イメージと違った」と思われている可能性があります。
内装や店舗の雰囲気を改善する際に必要なのが「コンセプト」です。「どのようなお客様をターゲットにするのか?」「他店とどう差別化するのか?」を深堀りして、自店舗のコンセプトを決めましょう。
関連記事:
美容室の経営戦略とは?集客・売上増加のマニュアルをわかりやすく解説
細やかな気遣いもリピート率の改善につながる可能性があります。例えば、次のような点を意識してみましょう。
小さな心遣いの徹底が、お客様のサロンでの居心地につながります。
上述したとおり、集客の流入経路によってお客様の層は大きく異なります。例えば、ポータルサイトで集客する場合、基本的に料金の安さを求める新規顧客が多くなります。
一方、チラシを配って集客する場合、「料金」より「近さ」を重視するお客様にアプローチできるでしょう。このように集客方法を見直すことも、リピート率の改善につながります。
リピートにつながる仕組みそのものを創るのも大切です。おすすめの方法は以下の2つです。
重要なのがターゲットのお客様を明確にするという点です。「どのようなお客様をターゲットにするのか」をしっかり考えれば、お客様のニーズを満たすことができリピート率向上につながります。
例えば当社の場合、ターゲットは「35歳〜44歳の子育て世代、専業主婦」です。このようにターゲットのペルソナを作り込めば、お客様の層はある程度似通ってきます。そうするとあらかじめニーズを想定できるため、質の高い接客を実現できるのです。
もっとも基本的なものが、リピート回数に応じて特典を贈呈するという方法です。次回来店する際の特典があると、お客様に「次もここに来よう」と思ってもらいやすくなります。
具体的には、ポイントカードの作成がおすすめです。ポイントカードがあると「ポイントを貯める楽しみ」を味わってもらえるうえに、特典を具体的にイメージしてもらえます。例えば次のような特典があります。
新規顧客や失客したお客様にお礼のDMを送ることも、リピート率改善につながります。お客様に特別感を抱いてもらうことができるからです。
一般社団法人日本ダイレクトメール協会の調査では、30代の約5%がDMを受け取ったことで店舗を訪れています。効果が出るDMの書き方はこちらを参考にしてください。
関連記事:
美容室のダイレクトメール(DM)を成功させる書き方とは?効果を出すポイントも解説
※参考:一般社団法人日本ダイレクトメール協会研究開発委員会編|「DMメディア実態調査2021」調査報告書要約版
当社の「マイスタ®サロン」の場合、リピート率の目標は以下のとおりです。
このように、平均よりも高いリピート率を実現しています。
リピート率が高い最大の理由は「全員接客」です。当社では、全てのお客様を全てのスタッフでお迎え・接客し、店舗のファンになっていただくことを目標としています。また、「店舗全員でインセンティブを分配」という制度が争わない風土を作り、さらに働きやすい環境を整えた結果、スタッフのモチベーションが高まり、リピート率も向上したのです。「全スタッフへインセンティブを分配」「争わない風土」など働きやすい環境を整えた結果、スタッフのモチベーションが高まり、リピート率も向上したのです。
当社が実践した”美容室の経営を軌道に乗せるノウハウ”はこちらで紹介しています。
関連記事:
美容室の経営を軌道にのせるためのノウハウと目標値
集客に不安を抱く場合、なるべく早めにリピートしない理由を分析する必要があるでしょう。分析せずに放置していると、売上はどんどん下がってしまいます。
ただし、忙しい美容室経営のなか、分析に時間を割けないという方もいますよね。そのような場合、業務提携やフランチャイズを選択肢に入れたり、サロンづくりの仕組みやノウハウなどの知識と経験豊富なパートナーに相談してみることも大切です。
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