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「美容室の売上を上げるためにはどうすればいいのだろう?」
「平均的な美容室の売上目安を知りたい」
美容市場の売上は、コロナ禍のピークを経て回復傾向にあります。さらに、男女ともに客単価や店販の売上が年々増加しています。
一方で、なかなか売上が上がらなかったり、むしろ減ったりしている美容室も少なくありません。本記事では美容室の売上を上げる方法を紹介し、知っておくべき目安や最新美容市場を解説します。
まずは美容室の売上に関して、現状と最新の市場情報を紹介します。
美容室の売上を左右するお客様の利用金額は年々増加しています。株式会社リクルートのホットペッパービューティーアカデミーによると、「1回あたりの利用金額とカラー利用率」は次のように推移しています。
画像出典:美容センサス
増加しているのは女性だけではありません。男性の利用金額も、美容室のみならずすべての美容ジャンルで大幅に増加しています。
画像出典:美容センサス
以上の点から、男女ともに美容に対する意識の高まりなどから利用金額がどんどん高くなっているのですが、その反面、美容室の売上自体は2017年度に比べ落ち込んでいます。
次項にて理由を詳しく解説します。
2022年における美容室の市場規模は、株式会社リクルートのホットペッパービューティーアカデミーによると1兆3,445億円です。
画像出典:株式会社リクルートホットペッパービューティーアカデミー
また、株式会社矢野経済研究所の調査では「2021年度の理美容サロン市場は2兆470億円である」と報告されています。
計算式が違うことから数値こそ異なるものの、コロナ禍のピークだった2020年度より増加しているのは間違いありません。
一方で、「コロナ禍前である2017年、2018年のほうが売上が高かった」という点も事実です。回復傾向にあるものの、市場規模で見ると売上はまだコロナ禍前より低いといえるでしょう。
ここからは美容室の売上の目安を以下3つのケースで紹介します。
小型店舗を経営している場合の目安は、1ヵ月あたり954,850円です。
厚生労働省の「美容業の実態と経営改善の方策」によると、1ヵ月の平均来店数は平日、休日ともに「0〜 4人」です。次点が「5〜9人」であることから、1日4人、5人程度の来客が最も多いと推測できるでしょう。
1日5人、女性のお客様が来店すると仮定した場合、1日の売上は以下のとおりです。
5人×7,345円(※ホットペッパービューティーアカデミーのデータ)= 36,725円
月に1日、定休日を設けると仮定した場合、1ヵ月の売上は以下のとおりです。
26日×36,725円=954,850円
年間で計算すると、11,458,200円です。小型店舗を経営する場合、まずは月に954,850円の売上を目標にしましょう。
スタイリストが3人になった場合、単純計算すると売上の目安は以下のとおりです。
スタイリストが6人になった場合、単純計算すると売上の目安は以下のとおりです。
ただし、あくまでこれは平均のデータを用いて計算した数値に過ぎません。また、営業日数や定休日によっても売上は異なります。鵜呑みにするのではなく、自店舗の売上を考える際の参考として捉えておくことをおすすめします。
美容室の売上を上げるには、さまざまな方法があります。ここでは特に重要な8つの方法を紹介します。
美容室の売上を上げるためには、まず現状を分析することが大切です。ここでいう分析とは以下の点について割合や傾向を洗い出し、「現状の店舗はどのような状況なのか」「どのような施策が必要なのか」を把握することです。
これらのデータをもとに、顧客獲得やリピート率の向上、商品やサービスの改善、スタッフの育成などの施策を検討しましょう。
関連記事:
美容室の経営戦略とは?集客・売上増加のマニュアルをわかりやすく解説
美容室の売上を伸ばすうえで大切なのがリピート率です。リピート率が高くなると売上予測を立てやすくなるので、適切な事業計画の立案や目標の設定につながります。
ここではリピート率の計算方法と業界平均、向上させる方法を紹介します。
リピート率とは「過去3ヵ月以内にお客様が再来店してくださったかどうか」です。計算方法はお使いのPOSシステムによって異なります。正確なリピート率を出すためには、日単位でお客様の来店状況を確認しましょう。
月単位の場合、4月30日に来店した人でも「4月の来店」となってしまいます。日単位の場合は「90日」「60日」などで計算できるため、ズレが生じることはほとんどありません。
全国の美容室のリピート率平均は以下のとおりです。
※90日で計算した場合
このリピート率に満たない場合、「リピート率が低い」といえるでしょう。
リピート率を上げる施策はいくつかありますが、主な流れは以下の3つです。
詳しくはこちらで解説しています。
関連記事:
美容室をリピートしない理由5選!リピート率平均を改善するための施策や成功事例も解説
リピーターばかりを増やしても、売上の増加にはなかなかつながりません。リピーターは100%リピートしてくれるわけではないため、新規顧客も同時に増やさなければ売上は減ってしまいます。
新規顧客を作る方法はいくつかありますが、当社がオープン時に新規顧客300名を集めた戦略は「チラシ」です。チラシは主にオープン時に活躍する集客方法ですが、キャンペーンをしっかり組めば、オープン時以外でも売上を伸ばす施策として有効です。
すぐ参考にできるチラシのテンプレート例はこちらで公開しています。
関連記事:
美容室のチラシ制作で参考になる「マイスタ®サロン」のテンプレート例
美容室の売上を上げるためには、客単価を見直すことが重要です。売上は来客数×客単価で決まるからです。
客単価を上げる方法として最もシンプルな方法が「値上げ」ですが、これは慎重におこなうべきです。場合によっては既存のお客様が離れたり、店舗の雰囲気に合わない高単価サロンになってしまったりする懸念があるでしょう。
また、新しいサービスメニューの導入にはコストが掛かります。ターゲットのお客様に本当に求められているものなのかどうなのか見極める必要があります。
客単価を上げる以外には、次の方法が考えられるでしょう。
まずはセットメニューを作ることがおすすめです。セットメニューを作ることで時間の短縮につながり、生産性の向上が期待できるでしょう。
儲かるメニューはこちらで紹介しています。
関連記事:
美容室の儲かるメニューとは?具体例7選!考える際のポイントも解説
店販に力を入れるのもおすすめです。株式会社リクルートホットペッパービューティーアカデミーの調査によれば、店販の年間購入総額は年々高くなっています。
同じく株式会社リクルートホットペッパービューティーアカデミーの調査によると、購入された商品の上位は以下のとおりです。
ただし、これらの商品をやみくもに仕入れても売れるとは限りません。しっかりとターゲットを決めて「お客様が求めている商品は何か」を検討するなど、スタッフの売る意識の教育も必要です。
美容室にキャパシティがあれば、人手を増やすのも選択肢の一つです。人手を増やすことで、時間の都合が合わずに予約できなかったお客様の失客を防げます。
売上を上げるうえで大切なのが、アシスタントではなくスタイリストを増やすことです。アシスタントは売上に直接貢献できないうえに毎月一定の固定費を支払わなければならないため、場合によっては赤字になってしまいます。
実際に、当社ではアシスタントの採用をおこなっていません。スタイリストしかいないからこそ全員で売上を上げることができ、業界平均よりはるかに高い給与をスタッフに還元しています。
関連記事:
美容師は儲かるのか?平均給与が業界平均より5万円多い理由を解説
マーケティングの方法が自店に合っていないと、コストとリターンが見合わない可能性があります。
例えば、ポータルサイトの掲載は新規顧客の獲得を期待できますが、リピーターの増加にはつながりません。ポータルサイト経由で来店するお客様は、お店のファンではなく料金やクーポン目当ての可能性があるからです。
店舗によっては毎月数万円〜数十万円を払ってポータルサイトに掲載するより、SNSやホームページ作成に力を入れたほうが効果が高いこともあります。自店舗を分析して「どのようなマーケティング戦略を取るべきか」を考えましょう。
店舗を増やすことも、売上を上げるうえで有効な方法の1つです。新しい店舗を開設することで、より多くのお客様に利用していただけるようになります。
多店舗展開に成功すれば、オーナーの年収もどんどん高くなっていくでしょう。ただし、多店舗展開にはリスクもあります。リスクを極力減らしたうえで成功するためのコツはこちらで解説しています。
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美容室を多店舗展開・拡大する5つのメリットとは?注意点や成功のコツも解説
美容室の売上を上げることに関しては、さまざまな疑問や不安がつきものです。ここでは美容室オーナーが抱きやすい2つの疑問に回答します。
当社の「マイスタ®サロン」における一例を紹介します。
この場合、美容室オーナーの収入は売上の約8.33%です。
オーナーの収入は、店舗が増えるごとに高くなっていきます。こちらも「マイスタ®サロン」の実例を紹介します。
3店舗目を乗り越えると、加速度的に収入が増加します。詳しくは下の記事を参考にしてください。
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気になる美容室を経営するオーナーの年収は?収入アップは3店舗目から?
人件費は約50%程度であることが多いです。
ただ、人件費率は美容室によって異なります。例えば「マイスタ®サロン」の場合、人件費率は45%程度です。
人件費だけでなく、さまざまなコストをカットしているからこそ営業利益が一般的な美容室に比べて約5倍も高いという特徴があります。詳しくは下の記事でまとめています。
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美容室のフランチャイズ経営は儲かる?オーナーの年収ってどれぐらい?
本記事で紹介したとおり、男女ともに美容室の利用金額が上がっているのは間違いありません。本記事で紹介した方法を実践して、美容室の売上アップを目指しましょう。
ただ、売上の増加には限界があるのも事実です。限界点に達した場合、業務提携やフランチャイズを選択肢に入れたり、サロンづくりの仕組みやノウハウなどの知識と経験豊富なパートナーに相談してみることも大切です。
「マイスタ®サロン」はサロン経営のお悩みを解決するパートナーシップ制度です。
集客や人材の問題で悩む”関西の美容サロン様”に女性美容師が働きやすいサロンづくりの仕組みやノウハウを共有し、サロン経営のサポートをいたします。
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