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田舎の美容室は儲かる?出店するメリット・デメリットと失敗例を解説

「田舎に美容室を出店しようと考えているけれど、儲かるのだろうか」
今まで都内で美容室を経営していた場合、このような疑問を抱く方も多いですよね。

田舎でも儲けることは十分に可能です。ただし、田舎ならではのメリット・デメリットがある点に注意してください。本記事では田舎でも儲かる美容室の特徴を7つ紹介し、メリット・デメリットや失敗例を紹介します。

 

 

田舎でも儲かる美容室の特徴

田舎でも儲かる美容室の特徴

田舎でも都内と遜色ないほどに儲かっている美容室は少なくありません。むしろ、なかには都内より売上が高い美容室もあるほどです。

ここではそのような「田舎でも儲かる美容室の特徴」を7つ紹介します。

  • ターゲット層が明確
  • 客単価が近隣の競合より高い
  • 優良顧客が多い
  • リピート率が高い
  • 競合と差別化を図れている
  • クーポンや割引施策を多数つくらない
  • スタッフの人柄や接客態度が良い

ターゲット層が明確

田舎で儲かっている美容室は、しっかりとターゲット層を決めています。田舎で最も重要なのは「いかに顧客を失客させないか」という点だからです。ターゲット層を作り込めばお客様のニーズを想定できるため、質の高い接客が実現でき、リピートにつなげられます。

ここで大切なのが「できる限り細かく設定する」という点です。例えば当社の場合、「35歳〜44歳の子育て世代、専業主婦、世帯年収600万円以上の方」と設定しています。これは地域の特性などを徹底的にリサーチしたうえで設定したターゲット層です。

このように、まずはしっかりとターゲット層を定めることが大切です。

客単価が近隣の競合より高い

美容室の売上において客単価は非常に重要です。儲かるかどうかは客単価とお客様の数で決まるためです。

具体的に、売上は次の式で決まります。

売上 = 客単価 × 来店人数

都内の場合、「客単価を下げて来店人数を増やす」という薄利多売のビジネスモデルも成立します。例えば駅前やビルの中によくある「10分間カット」「1,000円カット」が最たる例といえるでしょう。

一方、田舎は人口が少ないため、薄利多売のビジネスは向いていません。このような理由から、田舎では「いかに客単価を上げるか」が非常に重要です。

優良顧客が多い

優良顧客が多いと、クレームの対応など利益を生まない業務に時間を取られる心配がありません。したがって、売上の増加につながります。

田舎で儲かっている美容室は紹介制度などをうまく利用して、優良顧客の割合を高めているケースが多いです。

リピート率が高い

田舎は都内と比べて、人口が圧倒的に少ないという特徴があります。人口が最も多い東京都と最も少ない鳥取県を比べると一目瞭然です。

東京都 鳥取県
人口 1401万人 54万9000人
全人口の割合 11.2% 0.4%

参考:総務省統計局|人口推計(2021年(令和3年)10月1日現在)

都内の場合、「競合が多い」というデメリットがあるのは事実です。ただ、潜在顧客の数が多いため、差別化を図れば生き残れる可能性は高いでしょう。

一方で田舎の場合、都内と違って潜在顧客の数自体が少ない傾向にあります。リピーター対策を怠ると廃業につながりかねません。実際に、廃業率は都内よりも青森や岩手、長崎といった地方のほうが高いためです。

中小企業庁|第3節 開廃業の状況

出典:中小企業庁|第3節 開廃業の状況

競合と差別化を図れている

田舎の美容室が儲かるには、リピーターの存在が非常に重要です。リピーターを獲得するうえで大切なことは「差別化」です。

差別化で大切なのはターゲット層を決めて、他店を分析しコンセプトに則ったお店を創ることです。例えば30代や40代の男性をターゲットにしているにもかかわらず「可愛らしい雰囲気」の店舗だと、お客様に「イメージと違う」と思われかねません。

田舎で美容室を出店する際は、しっかりと経営戦略を練って差別化を図りましょう。

関連記事:
美容室の経営戦略とは?集客・売上増加のマニュアルをわかりやすく解説

クーポンや割引施策を多数つくらない

田舎は人口が少ないことから、クーポンを配布して集客するケースが多いです。クーポンを配布するとお客様の数は一時的に増える一方、弊害もあります。クーポンありきの値段でしかお客様が来なくなってしまうのです。このようなお客様をマーケティング用語で「チェリー・ピッカー」と呼びます。

田舎で儲かっている美容室はチェリー・ピッカーの割合が低く、クーポンを配布しなくても高い集客効果を実現している傾向にあります。

オーナー・スタッフの人柄が良い

田舎ではオーナーやスタッフの人柄が重要です。人口が少ない分、都内に比べて人同士の付き合いが密接になることから、人柄で美容室を選ぶ方も少なくないためです。

一方で、ネガティブな印象を与えてしまうと、良くない噂や評判がすぐに広がってしまいます。マーケティングには「3対33の法則」と呼ばれる法則があります。満足したお客様は3人にしか伝えない一方で、不満を感じたお客様は33人に伝えるというものです。

実際に、マサチューセッツ工科大学によれば「嘘やデマといったネガティブな情報は事実よりも100倍拡散力が高く、20倍も拡散速度が早い」という研究結果もあります。悪い噂が広まらないよう、お客様にとって気持ちの良い接客を目指しましょう。

田舎に美容室を出店するメリット・デメリット

田舎に美容室を出店するメリット・デメリット

田舎の美容室は、やり方次第では大きく儲けられる可能性があります。一方で、悪い噂が広まったりリピーターを獲得できなかったりすると、廃業につながりかねません。

失敗しないためにも、田舎に美容室を出店するメリット・デメリットをしっかり把握しましょう。

田舎に美容室を出店するメリット

田舎に美容室を出店するメリットは以下の3つです。

  • 固定費を安く抑えられる
  • 都内と比べると競合が少ない
  • リピーターを作りやすい

固定費を安く抑えられる

美容室の経営において、固定費は非常に重要です。なぜなら、毎月支払っていかなければならないものだからです。

田舎は固定費を安く抑えることができます。坪単価で比較してみても、東京と大阪でこのような違いがあります。

東京 大阪
27,999円/坪 18,098円/坪

※2022年12月31日時点
※参考:三幸エステート|市況データ

20坪のテナントで美容室を経営する場合、賃料は以下のとおりです。

東京 大阪
559,980円 361,960円

このように、東京と大阪だけでも約20万もテナント賃料が安くなります。あくまで一例に過ぎませんが、「地方のほうが固定費が安くなる」というのは間違いないでしょう。

都心と比べると競合が少ない

田舎は都内に比べて競合が少なく「顧客を獲得しやすい」というメリットがあります。都内ほど美容室がひしめきあっていないからです。

厚生労働省によると、美容室の数はほぼ毎年増え続けています。

令和2年度衛生行政報告例の概況

出典:厚生労働省「令和2年度衛生行政報告例の概況

都内の場合、半径500メートル圏内に複数の競合が立ち並んでいることも少なくありません。さらに、新しく出店する可能性も田舎に比べて高いといえるでしょう。

田舎は都内よりも競合が少ないうえに、近くに新しい店舗が開店する可能性も高くありません。だからこそ、軌道にのりやすいといえるでしょう。

リピーターを作りやすい

田舎はリピーターを作りやすい傾向にあります。競合が少ないため、お客様の選択肢も少なくなるためです。

都内の場合、お客様は何十、何百もの美容室を選ぶことができます。そのため「気分転換に他のところも行ってみようかな」と思われるとすぐに失客してしまいます。

田舎だと「イメージと違うな」と感じても、「他に良いところがないしな」と思い踏みとどまるケースが多いです。リピートいただく度にお客様の満足度を高めることで結果的にリピート率が高くなり、安定した経営を目指せるようになるでしょう。

田舎に美容室を出店するデメリット

田舎に美容室を出店することには、以下のようなデメリットもあります。

  • 人口が少ない
  • 空きテナントが少ない
  • 人材の確保が難しい
  • 集客に苦戦する

人口が少ない

最も大きなデメリットは「人口が少ない」という点です。人口が少ないからこそ、集客に失敗すると売上が大きく下がってしまうでしょう。

さらに、都内で出店するときよりも新規顧客の獲得方法をしっかり考えなければなりません。田舎は都内よりも人口減少率が激しいからです。

人口減少率

出典:総務省統計局|人口推計(2021年(令和3年)10月1日現在)

東京都の場合、2021年の人口減少率はわずか0.27%です。一方、秋田県は1.52%も減少しています。このように人口がどんどん減っていくため、「どうすれば新しい顧客を獲得できるか」を常に検討する必要があるといえます。

空きテナントが少ない

出店に向いている空きテナントがほとんどない、という点もデメリットといえます。田舎で出店する場合、場所によっては土地・建物を購入しなければならず、数千万円のお金が必要になることもあるでしょう。

人材の確保が難しい

美容室の経営にとって、人材の確保は非常に重要です。スタッフの有無やレベルによって、美容室の売上は大きく変わります。

田舎は都内よりも人口そのものが少ないため、人材の確保は簡単ではありません。田舎で美容室を出店する場合、お客様だけでなく美容師にとっても「魅力的な店舗」と思われるよう工夫する必要があるでしょう。

集客に苦戦する

田舎は集客に苦戦する可能性があります。田舎の美容室は「絶対に失客させたくない」と考えているため、お客様と深い信頼関係を築いているケースが多いのです。

新規出店する場合、このような状況で「いかに集客するか」を考えなければなりません。

田舎で儲からない美容室の失敗例

田舎で儲からない美容室の失敗例

田舎は集客に失敗すると、廃業につながりかねません。出店する際に「どのようなリスクがあるか」を把握しておくことが大切です。

ここでは田舎で儲からない美容室の失敗例を6つ紹介します。

  • ターゲット選定ができていない
  • マーケティングができていない
  • チャネル(集客経路)が少ない
  • 客単価の設定が低い
  • 新規客の受入ができていない
  • リピート対策が行われていない

ターゲット選定ができていない

田舎だからこそターゲット選定が大切です。人口が少ないことを心配して「誰でもいいから来てほしい」と考える場合、かえってうまくいかなくなります。ターゲットを決めないとあらゆるニーズに応える必要があり、費用が莫大にかかるからです。

また、強みを出しにくいというデメリットもあります。例えば、20代の女性がいるとしましょう。同じ地域に以下の2店がある場合、後者が選ばれることが多いと考えます。

  • ターゲットを決めていない個性のない美容室
  • 20代女性をターゲットにした美容室

このように、ターゲット層を決めなければ「ターゲットを決めて集客している店舗」にお客様が流れてしまいます。地域性や自分の強みなどから、ターゲット選定に力を入れましょう。

マーケティングができていない
(需要の低いエリアでの出店)

需要の低いエリアで出店してしまうと、軌道にのるまでかなりの時間がかかってしまいます。立地によって来店数は大きく異なるためです。

田舎に出店する場合、しっかりと時間をかけて立地をリサーチしましょう。都内と違って移動手段が車になるため、商圏を広くとらえる必要があります。また、人口の年齢分布なども徹底的に調査する必要があるでしょう。

このようなリサーチを怠ると、失敗する確率が高まってしまいます。

チャネル(集客経路)が少ない

都内はポータルサイトに登録すると、ある程度の集客を見込めます。一方、田舎はさまざまな集客方法を試さないと新規顧客が増えません。都内に比べて人口が少ないからです。

だからこそ、あらゆるチャネル(集客経路)を把握しておくということが大切です。田舎で出店を検討する際に知っておくべき集客方法はこちらで紹介しています。

関連記事:
美容室の集客方法とは?新規からリピーター増加のアイデアを解説

客単価の設定が低い

客単価の設定を低くすると、その分利益が減ってしまいます。利益が減るとスタッフの給料が低くなってしまい、モチベーションにつながりません。

田舎で儲かっている美容室は、基本的に客単価を高く設定しています。ただし、カットの技術や接客の質が良くないにもかかわらず客単価を高めると、今度は悪い噂が広がってしまう恐れもあるでしょう。

技術を磨いたり接客の質を見直したりして、「値段相応のサービスを提供できているか」を確認してください。

新規客の受入ができていない

田舎は都市部に人が流れる傾向にあるため、リピート率を高めるとともに新規客を集客することが大切です。

リピート率を高めるのは重要ですが、リピーターだけを優先していると売上は下がってしまう恐れがあるでしょう。リピーターはかならずしも毎回来店してくれるわけではなく、他店に移ったり住まいを引っ越ししたりする可能性もあります。今は近くに競合店舗がなかったとしても、今後新しくでき、その美容室に流れてしまうケースもあるでしょう。

新規様の入客ができるよう予約枠数を増やしたり時間を調整するなどで対策しましょう。

リピート対策が行われていない

美容室の経営で大切なのがリピート率です。リピート率が高いと売上を安定させやすくなります。まずはリピート率30%以上を目標にしましょう。

リピート率とともに重要視すべきなのが「次回予約率」です。次回予約率とは「お客様の次回予約をどれだけ取れたか」を表す数値です。次回予約率が分かれば、先の見込み売上が把握でき精度の高い目標設定や事業計画の立案ができるようになります。

田舎でも儲かる美容室を創ることは十分に可能

田舎は固定費が安く済むため、うまく経営できれば都内よりも軌道にのりやすいといえるでしょう。一方で「人口が少ない」「悪い噂が広がりやすい」というリスクに注意してください。

リスクを抑えるには業務提携やフランチャイズを選択肢に入れたり、サロンづくりの仕組みやノウハウなどの知識と経験豊富なパートナーに相談してみることも大切です。

「マイスタ®サロン」はサロン経営のお悩みを解決するパートナーシップ制度です。

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