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「新しく美容室を開店したのに、スタッフがすぐに辞めてしまった」
「競合と待遇は変わらないはずなのに、どこが良くないのだろう」
美容室を経営するうえで、このような悩みを抱くオーナーは少なくありません。最初の店舗はこれまでの人脈でなんとかなることもありますが、2店舗目からはスタッフを定着させるために経営者としての手腕が問われます。
本記事では人材が定着しない原因を10個紹介し、当社の事例をもとに解決策を解説します。
まず、スタッフがすぐ辞める美容室の特徴を把握しておきましょう。ここでは10個の特徴を紹介します。
人間関係がうまくいっていない職場は、離職率が高くなります。株式会社イーグラント・コーポレーションの調査によると、美容室の転職理由として最も多いのが「人間関係」です。
出典:PRTIMES|【現役美容師500人にアンケート調査】現役美容師が転職理由や働く美容室に求めることは?|美容師の転職事情2022年版
ギスギスした環境の中ではどんなに優秀なスタッフも力を発揮できず、長く働くことができません。美容室に限らず多くの職場で課題となる人間関係は、けっして軽視できない問題です。
労働条件が募集情報と異なることも、離職率を高める一つの原因です。エン・ジャパン株式会社によると、56%もの女性が「ギャップが原因で仕事を辞めたことがある」と回答しています。
出典:エン・ジャパン株式会社|女性500名に聞く「就業前後のギャップ」実態調査―『エンウィメンズワーク』ユーザーアンケート―
特に、以下の情報は正確に記載しましょう。
入社後の研修制度やレッスンが充実していないことも、スタッフがすぐ辞める原因の一つです。
美容師の場合、研修期間は主にアシスタントとして活動することになるので、研修の内容がモチベーションに直結する可能性もあります。
立地や人間関係がどれだけ良くても、就業時間が長すぎるとすぐ辞めてしまいかねません。「収入に対して割に合わない」と思われる可能性が高いからです。
美容師の就業時間は、他の職業と比較すると長い傾向にあります。
このように、半分以上の方が毎日10時間以上働いているとわかります。特にアシスタント期間中は通常の営業時間である8時間の労働に加え、勤務終了後にレッスンをおこなうことも珍しくありません。
有給や休みの取りにくい職場も、スタッフの離職率が高まります。
多種多様なお客様を迎え入れるために、営業時間を長くしたり年中無休で営業したりする美容室は少なくありません。美容師の年間休日は約90日といわれており、一般企業含む全国平均である120日をはるかに下回っています。
アシスタントの期間中に、モチベーションが続かずやめてしまう人もいます。
一般的に、アシスタントからスタイリストになるまで「3年かかる」といわれています。ただ、明確な基準はなく、美容師によっては5年以上かかるケースも少なくありません。
JOBOONの調査によると、約6割以上の方が「スタイリストになれるか不安だった」と感じていたとわかっています。
出典:JOBOON|スタイリストになれず不安……現役美容師60名の悩みや練習時間、先輩美容師のアドバイスなどを紹介
給料の低さが原因で辞める人は非常に多いです。実際に、退職理由の第1位が「業務内容の割に給与が低いから」です。
他の業種と比べてみても、美容師の給与は低い傾向にあります。厚生労働省によれば、2020年度の平均年収は329万8千円(※)です。給与の低さから、最終的に美容師そのものを辞めてしまう方も少なくありません。
お客様が少ないことに不安を感じ、退職を決意するスタッフも多いです。指名料(インセンティブ)を頂いている場合は、収入にも関わってくるでしょう。
美容室の平均客数は以下のとおりです。
※参考:厚生労働省|美容業 結果の概要
スタイリスト(美容師)が5人いる場合、平日の平均客数は50人です。50人を下回っている場合、スタッフに「お客様が少ない」という印象を抱かれる可能性があるでしょう。
働く中でチームワークが上手くいっていないと、業務効率が落ちたり失客につながったりすることがあります。
結果として人間関係にもすれ違いが起き、ミスが生まれやすくなります。
職場の設備や内装が古かったり壊れていたりする場合も、離職の原因になりえます。
特に美容師は朝から晩まで立ちっぱなしになるハードな仕事です。労働環境が悪いと健康面に不安を感じる方もいるでしょう。
スタッフが辞めない美容室をつくる前に、まずはなぜ「辞めてしまうのか」を把握しましょう。
ここでは業界全体の課題でもある美容師の離職率と、美容師が長続きしない理由について説明します。
厚生労働省によると、美容師を含む「生活関連サービス業・娯楽業」の離職率(※)は1年以内で約30%、3年を過ぎると60%近くにも上ります。大卒者の離職率が10%ほどであるということを考えると、いかに高水準かわかります。
美容室の離職率がこれほどまでに高い理由はこちらで解説しているので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:
10年以内の離職が約90%!美容師不足を解消する方法とは
美容師が離職する主な原因は以下のとおりです。
ただ、これらはすべて解決可能です。詳しい解決策はこちらで紹介しています。
関連記事:
美容師の離職率が高い5つの理由!働き方改革を成功させるポイントも紹介
スタッフがすぐに辞めてしまうと、採用に時間やお金、手間がかかってしまい、売上の低下を招きかねません。そのような事態に陥らないためにも、できるだけ早く対策を講じることが大切です。
スタッフに長く働いてもらうために必要なことは以下のとおりです。
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは、経営学者ピーター・F・ドラッカー博士が考案した経営における重要な指針です。主に会社経営で使われる言葉ですが、美容室経営でも重要です。
具体的には、それぞれの言葉に次のような意味が込められています。
MVVを共有するとスタッフが同じ目標を抱くことができ、早期離職を防げるようになるでしょう。
次に、雇用条件・労働環境を改善することが大切です。雇用条件・労働環境を改善することで生産性の向上につながり、さらに売上を伸ばせる可能性があります。
当社の場合、美容師を女性のみにすることで、産休・育休に対しての互いに支え合う風土を築きました。また、個人指名によるインセンティブを廃止し、店舗スタッフ全員に分配される仕組みを採用しています。
このように、働くスタッフに合わせて雇用条件や労働環境を改善していきましょう。
思い切って就業時間や営業時間を変更するという方法もおすすめです。変更することでスタッフが働きやすくなり、離職の防止につながるでしょう。
例えば当社の場合、営業時間を平日9時半から18時に設定しています。業界の中では異例の短さですが、給与は平均より大幅に高くなっています。
さらに、人材不足が叫ばれる中、スタッフが増加傾向にあるのも当社の特徴です。当社がおこなっている職場環境づくりはこちらで解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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美容師を高待遇にするのは難しい?給与・年間休日・職場環境を魅力的にするためには
スタッフの声をきちんと聞くことも大切です。「どのような問題を抱えているか」「何を不安に感じているか」を解決できれば、スタッフの定着につながります。
能動的にスタッフとミーティングする時間を作るようにして、個人の悩みや現場の問題点など洗い直しましょう。
お客様だけでなく、スタッフ自身にもお店のファンになってもらいましょう。そうすると産休や育休などで一時的に離職することになっても、復職してもらえる可能性が高くなります。
お店のファンになってもらう方法として大切なのが、スタッフ一人ひとりに「自分の居場所はここだ」と思ってもらえることです。一人のスタッフが牽引するような美容室になってしまうと、軋轢が生まれてしまいかねません。
永くスタッフに勤めてもらうためにも、個々にスポットライトが当たるような美容室づくりを目指すことが大切です。
スタッフを定着させた事例の一つとして、当社の「マイスタ®サロン」のモデルを採用した店舗の一つ「annie様」を紹介しましょう。
annie様では、女性が一生働けるような職場環境を提供すべく、新規事業として出店をしました。働く女性の多様性に合わせ、子育て支援や介護休暇、産休・育休などに対応した27の働き方を用意し、女性が働きやすく辞めにくい環境をつくりだされております。
給与や研修制度が充実しているのもannie様の特徴です。さらに、これまで美容業界の当たり前だった「少ない給料」「取れない休み」「過酷な労働環境」といった問題を解決し、3名のスタッフでスタートした美容室はわずか5年弱で8名に増えています。
スタッフを定着させるには、辞める理由を把握して対策を講じることが大切です。スタッフにとって魅力的な職場環境を創ることができれば、離職率の低下を防げるうえに生産性の向上が期待できるでしょう。
ただ、「頭ではわかっていても、すぐに環境は変えられない」と考える美容室オーナーも少なくありません。そのような場合、業務提携やフランチャイズを選択肢に入れたり、サロンづくりの仕組みやノウハウなどの知識と経験豊富なパートナーに相談してみることも大切です。
「マイスタ®サロン」はサロン経営のお悩みを解決するパートナーシップ制度です。
集客や人材の問題で悩む”関西の美容サロン様”に女性美容師が働きやすいサロンづくりの仕組みやノウハウを共有し、サロン経営のサポートをいたします。
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